私たちの家造り

高気密・高断熱の家


省エネと室内におけるヒートショックをつくらないことは、人間の健康と寿命に係わる現代的な重要課題です。
どちらの課題についても、家を高気密・高断熱で造ることで解決します。
家造りが高度に発達してきているにも係わらず、断熱の仕組みやその施工方法については、わかりにくいことがたくさんあります。
どの方法が最も適切であるのかは、専門家でも意見が分かれているのが現状ですが
私たちは、独自の技術と長い年月に渡る経験で、たくさんの高気密・高断熱の家を造り続けています。

高気密・高断熱の家のメリット

高気密高断熱の家の大きなメリットとして「省エネ」が上げられます。通常のルームエアコンが1台設置されていれば、1階も2階の部屋も、十分に冷暖房できます。居間にペレットストーブを設置して真冬でも長袖シャツ1枚で過ごしているご家族もいらっしゃいます。

冬は、エアコンの設定温度をそれほど上げる必要がありません。夏は窓を開けることで、エアコンを着けずに過すご家族も多く、真夏の一番暑い2週間程度だけエアコンを使って、猛暑をしのぎます。

高気密・高断熱の家は、年間を通じて
光熱費が安くなります。

消費者庁から「冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください」という注意喚起が出されています。人口動態統計の分析によると、家庭の浴槽での溺死者数は、この10年間で約7割増加し、平成26年に4,866人となっており、そのうち高齢者(65歳以上)が約9割を占めており、高齢者は特に注意が必要ということです。

また、厚生労働省の研究班の調査では、救急車で運ばれた患者数から推計した入浴中の事故死の数は年間約19,000人とされています。実に交通事故の3倍の人数です。

消費者庁の注意喚起には、ヒートショックから身を守る対策も掲載されています。
①入浴前に脱衣所や浴室を暖める。
②湯温は41度以下、湯に漬かる時間は10分までを目安に。
③浴槽から急に立ち上がらない。
④アルコールが抜けるまで、また、食後すぐの入浴は控える。
⑤入浴する前に同居者に一声掛けて、見回ってもらう。
②~④については、ご自身で気をつけることで対応できる内容です。⑤についてはご家族の協力を必要としています。①の「入浴前に脱衣所や浴室を暖める」については、家の構造的な問題から実現が難しくなります。

暖差リスクを無くして、ヒートショックから身を守ることは、家の高気密・高断熱によって実現が可能です。高気密・高断熱の家は、家の中の大きな温度差が発生しません。リビングと脱衣室の温度差がとても小さくなりますので、ヒートショックから身を守ることが可能です。

高気密・高断熱の家のデメリットと対策

家の性能を高気密・高断熱に上げると、冬は暖かく過ごすことができますが、必然的に夏は暑くなります。さて、この現象をどう捉えるかですが、考えましょう。

人の体温は一日中一定というわけではなく、36.2℃~36.7℃で変動しながら、生活をしています。人は代謝のため、体温を外気に放熱していますので、外気温は体温より約10℃ほど低い24℃~25℃が最適温度になります。

近年の日本の夏は、外気温が35度を超えることが頻繁に起こるようになっています。外気温が35℃になり、人の体温と同じレベルになると、人は代謝のための放熱ができなくなります。体に熱がこもることで、熱中症が発生し、そのまま放置すると命にかかわります。

どんなに文化が発達しても、地球上の温度をコントロールすることはできません。外気温から身を守るためには、ルームエアコンなどで家を冷房し、温度を下げる工夫が必要となります。高気密・高断熱の家は、冷房をした場合でも、設定温度を下げる必要はありません。外気から熱を遮断し、外部からの熱の進入を防いでくれるのです。

高気密・高断熱の家は、湿気がこもりやすいので、結露ができやすくなります。これは、密閉した箱に水を入れて、放置すると2~3日でカビが発生することでも理解することができます。しかし、私たちが造る高気密・高断熱の家は、カビの発生はありませんし、結露もほとんど起きません。

このことを解決している大きな要因は、室内の床と壁に調湿能力のある自然素材を使うことにあります。床は厚さ15mmや30mmの無垢の木材を使います。木は、森林から伐採され、製材されて、床に貼られた後でも生きています。湿気の多い梅雨時には、空気中の水分を吸湿し、秋になって湿度が下がり始めると、放出が始まります。無垢の床板が伸びたり縮んだりするのはこのためです。そして、壁は、湿気を吸放湿できる素材を使います。その中でも、漆喰の湿気を吸放湿する性能はとても高いため、私たちの家造りでは、頻繁に使っています。

また、床と壁を調湿能力のある自然素材を使うことで、シックハウス症候群の予防にもなります。

私たちが造る家は、大工の施工精度が高いことから、元々気密性が高く、高気密という性能を有していました。断熱性能を上げることで、より快適な住環境が実現できることが解かっていましたので、10年程前に、高断熱の家に取り組み発泡タイプの断熱材「アイシネン」を採用しました。発泡タイプの断熱材は、何種類も比較検討してみたのですが、「アイシネン」は、サンプル材と現場の仕上がり具合が、ほぼ同等のレベルの製品だったのです。

「アイシネン」の断熱性能が高いことは、現場が始まって直ぐに解かりました。真夏の屋根裏での作業は、蒸し風呂のようになるため、1時間が限界なのですが、アイシネンを屋根と壁に施工した現場では、大工が「真夏でも屋根裏で何時間でも作業ができる」と言ったのです。

アイシネンフォームは、オゾン層の破壊や地球温暖化の原因となるフロンガスを使用していません。対象物に吹付けされると数秒で発泡し、100倍に発泡し細かな泡の中に空気を閉じ込めて瞬時に固まります。わずかな隙間にもよく充填されるので、理想的な高気密・高断熱を実現します。またシックハウス症候群の原因物質とされるホルムアルデヒドなど、VOC(揮発性有機化合物)の発生も極めて低く抑えられており、人にも地球環境にも優しい素材です。