私たちの家造り

日本の国土面積の約3分の2は森林

日本の国土面積の67%が森林に覆われた世界有数の森林国です。美しい景観と豊かな生物多様性を持つ国であり、豊かな森林資源を持つ国と言えます。
日本では5~6万年前の旧石器時代から縄文時代を経て、現代に至るまで、人々は森の恵みを受けながら生活をしながら、木の文化を築いてきました。森林は、木材などの資源の生産の場であり、狩猟の場であり、キノコ・木の実・果実などの食料生産の場でもあります。森林は雨の水を蓄え、ゆっくりと時間をかけて水質を浄化しながら、絶えることなく、私たちの命の水源であり続けています。また、森林は、多くの生物の棲息の場であり、生命の多様性を維持しています。さらに、森林は土壌に根を張り山の土を守り、土砂災害などを防いでくれる役割も担っています。森の落ち葉は腐葉土となり、土の表面を守り、何層も重なることで褐色森林土となります。とりもなおさず、この森が日本の国土を生物多様にしている大きな要因です。

杉の名産地

森林で伐採された木材は、古くから建物の材料として使われててきました。
日本各地には、杉の産地としての森林が数多くあります。中でも、秋田の秋田杉、静岡の天竜杉、京都の北山杉、奈良の吉野杉、高知の土佐杉、宮崎の飫肥杉(おびすぎ)などは銘木と呼ばれて珍重されてきました。

土佐材は、太閤秀吉が大阪城築城の際に「日本一」というお墨付き

二条城や江戸城の築城に使われている

高知県で採られた木材=土佐材は、古くは、太閤・豊臣秀吉が大阪城築城の際に「日本一」というお墨付きを与えたことで、西日本だけでなく全国でも知られる銘木となりました。中でも、土佐杉はまっすぐで色目も良いことから、二条城や江戸城の築城に使われていることで知られています。

良木が育つ環境

杉の名産地として名高い奈良県吉野町は、年平均気温が14.2℃、平均年間降水量が2,124mmです。高知県梼原町は、年平均気温が14.1℃、平均年間降水量が2,075mmと、吉野町と同じ環境にあります。良木が育つためには、年間2,000mm以上の降水量と、温暖な気温と太陽の光が必要なのです。

なお、気温・降水量については、Alexander Merkel のデータを参照しています。天気のデータは1982年から2012年にかけて集計されたものです。

奈良県吉野町

月別平均降水量と平均気温
平均年間降水量 2,124mm
年平均気温 14.2℃


高知県梼原町

月別平均降水量と平均気温
平均年間降水量 2,075mm
年平均気温 14.1℃


大阪府箕面市

月別平均降水量と平均気温
平均年間降水量 1,635mm
年平均気温 13.9℃


杉が育った環境で使う

大阪府箕面市は、年平均気温が13.9℃、平均年間降水量が1,635mm℃です。梼原町に比べ降水量こそ劣りますが、平均気温は、ほぼ同じです。杉は山で伐採されて、製材されて家の柱や梁になっても、ずっと呼吸を続けています。育った環境と同じような環境で使われることは、杉にとって、とても重要なことなのです。

梼原の森

梼原町は町面積の91%を森林が占め、標高1455mにもなる雄大な四国カルストに抱かれた自然豊かな山間の小さな町です。四国カルスト高原は、全国的にも珍しい高位高原カルスト地形になっており、至る所に手付かずの自然が残り、晴れた日などには太平洋から瀬戸内海まで一望できます。石灰岩特有の白い岩が目立つ夏の高原では、里から登ってきた牛たちが放牧されのどかに草を食んでいます。 冬場は一面雪に覆われますが、その景色さえ自然の醸し出す幻想的な美しさがあり、多くの人々を魅了しています。
※写真撮影協力:雲の上のホテル
※文章は梼原町のホームページより転載

森を育てる

左は杉生産者で梼原町在住の片岡氏、右が梼原町森林組合の西村氏。お二人共、梼原生まれの梼原育ち。梼原の森を熟知しています。

森を管理する

住宅に使用するのは、主に樹齢40~50年以上のスギ・ヒノキ。町内の民有林を独自の林家台帳でデータ管理しています。

森の命を受け継ぐ

杉の切断は、チェーンソーで行います。切断面は瑞々しく、手で触るとしっとりしています。伐採前の樹木には大量の水分が含まれてます。山で伐採されて間もない原木の含水率が、150%を超えることも決して珍しいことではありません。伐採祈願の際は、林道に近い安全な場所で伐採が行われます。さらに安全を考慮して、あらかじめ杉の木をワイヤーで固定し、山側に引き、チェーンソーで慎重に伐採を進め滑車を使って山側に倒します。

原木の搬入

梼原の森で伐採された原木は、梼原町森林組合の原木置き場に運ばれます。しばらく置いておくことで、天然の乾燥が進みます。伐採された原木に雨の水が掛かっても、原木の含水率が上がることはなく、天然乾燥は進みます。

選木

梼原の森から運ばれる原木の大きさや形はさまざまです。原木の太さ、長さ、曲がりぐあいによって選木されます。選木された原木の内、太さや長さが足りない原木や、曲がりが大きい原木は除外され、ペレットに加工されて木材燃料として使われたり、ウッドチップに加工されて紙の原料として出荷されます。

加工

選木された直材は、表面の樹皮が剥がされ、木材として加工されます。木材の加工はオートメーション化されていますので、作業員の姿は見られません。

乾燥

木材は多くの水分を含んでいますので、乾燥させる必要があります。原木置き場において自然に乾燥をさせる天然乾燥という方法がありますが、天然乾燥させるには、最低でも2~3年はかかるため、現実的ではありません。梼原の森の木材は、ボイラーを使い、木材が傷まないように低温で乾燥を促進させています。

2次加工

乾燥が終わった木材は、表面処理などの2次加工を行い、梱包し出荷されます。

FSC森林認証

地球では森林が急速に失われており、1990年から2010年の20年間で、南アメリカやアフリカなどの熱帯雨林は、62%も消滅しました。森林破壊から森林を守るために、1994年、環境団体、林業者、林産物取引企業、先住民団体などが中心となって、米国でFSC(Forest Stewardship CouncilR、森林管理協議会)が設立されました。

FSCでは、環境保全の点から見ても適切で、社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理をしている組合を認証しています。FSCの活動は、多くの消費者、環境団体、企業などから支持を集め、世界で最も信頼度の高い森林認証制度として世界中に広まっています。

梼原町も、FSCの活動に賛同し、梼原の森を森林認証を受けました。認証機関による1年に1回の監査を受け認証を保持しています。現在では、梼原の森の約7割が、FSC森林認証を受けています。


伐採祈願

雲の上の温泉(設計:隈研吾)で旅の疲れを癒します。

農家民宿に宿泊・囲炉裏を囲んで山の幸をいただきます。

伐採祈願では、私たちの家のために、森の木を切らせていただく感謝の気持ちを森の神さまに伝えます。

隈研吾設計の梼原町役場を見学します。

隈研吾設計のマルシェ・ユスハラでは、お土産などお買い物。

三嶋神社への木橋参道の御幸橋を見学します。

梼原の森の木で造った「ゆすはらの家」。伐採祈願で伐採した杉の樹の切り株の一部を、記念に差し上げいます。窓台に飾っていただいています。