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講習会パート2 既存住宅における新たな取り組み

2018年05月24日
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講習会パート2と題しまして本日は既存住宅における新たな制度や取り組みについてお話します。

先に簡単に説明しますと、これまでの『住宅を作って壊す』という社会から『いいものを作って、きちんと手入れをして、長く大切につかう』社会にしていきましょう!ということです。


日本は海外に比べ、既存住宅の流通市場は近年着実に拡大しつつありますが、欧米諸国に比べると未だ低い水準にあります。
下のグラフを見ると歴然です。

海外は『いいものを作って、きちんと手入れをして長く大切に使う』ということが根づいています。



しかしながら、日本はそれに比べ、全住宅流通量に占める中古住宅の流通のシェアは約14.7%であり、欧米諸国と比べると1/6~1/5程度と低い水準です。

それを踏まえ、住生活基本計画(全国計画)(平成28年3月 閣議決定)が見直されました。

分かりやすく言いますと、
若い人も子育て世代、高齢者も安心して暮らせる住環境を目指すことであったり、既存住宅の流通を促進できるようにしたり、住生活を支える住生活産業を活性化していく。
などという内容です。

宅建士の視点からは既存住宅の流通において、中古住宅のリフォーム事業、リノベーション事業を推進すべく、様々な指針や取り組みが行われています。
お客様が今後、安心して既存住宅の流通にむけて『不安』 『汚い』 『わからない』といった従来のいわゆる中古住宅のマイナスイメージを払拭でき、安心して購入できるような取り組みも始まっています。

例えば・・

住生活基本計画(全国計画)(平成28年 3月閣議決定)
 『新計画の基本的な方針』
 1.住宅政策の方向性を分かりやすく示す。
 2.今後10年の課題に対応するための政策を多様な視点に立って示し、総合的に実施。
 3.三つの視点から、8つの項目を設定。




この基本計画には3つの視点から8つの目標が制定されています。この部分の住宅ストックに関する視点から説明していきます。


・住宅すごろくを超える新たな住宅環境システムの構築
 (1)住宅購入でゴールを超えて適切な維持管理やリフォームの実施によって、価値が低下せず、魅力が市場で評価され資産として次の世代に継承されていくという新たな流れの創出。
 (2)リフォーム投資の拡大と住み替え需要の喚起により、多様なニーズに対応するとともに、人口減少時代の住宅市場の新たな索引力を創出。


・建て替えやリフォームによる安全で質の高い住宅ストックへの更新
 (1)約900万戸ある耐震制を充たさない住宅の建て替え、省エネ性を充たさない住宅、バリアフリー化されていない住宅等のリフォームなどにより、安全で質の高い住宅ストックに更新。
 (2)老朽化マンションの建て替え、改修を促進し、耐震性等の安全性や質の向上を図る。

・急増する空き家の活用・除却の推進
 (1)空き家を多用途に活用するとともに計画的な空き家の解体・撤去を推進し、空き家の増加を抑制。
 (2)地方圏においては特に空き家の増加が著しいため、空き家対策を総合的に推進し、地方創生に貢献。


以上の基本計画を見ても、既存住宅への将来に向けての方向を示すものが沢山あります。
そういった取り組みから消費者が安心して既存住宅を購入し、リフォームやリノベーションが行われ、安全で快適な住環境を保持していけるのではないでしょうか。

それにまつわる指針などが色々と国土交通省から出ています。
中古住宅の建物評価の仕方など築年数のみを基準とする評価からリフォームやリノベーションをしている物件について適正に反映していこうという動きです。
 

 ・中古住宅・リフォームトータルプラン(平成24年 3月 国土交通省)

 ・中古戸建住宅に係る建物評価の改善にむけた指針(平成26年 3月 国土交通省)
 
 ・安心R住宅(告示公布平成29年 11月6日、施工平成29年12月1日) 流通開始は平成30年4月1日から


その内容については順にお話していきますが、どれも今後の住宅ストックを踏まえ、最初にお話しした通り、『いいものを作って、きちんと手入れをして、長く大切につかう』を考えた内容となっています。



当社では
注文住宅はもちろんですが、リフォーム・リノベーションも取り扱っており、お客様の今後の多様なニーズに応えられるよう取り組んでおります。
中古住宅の評価を上げていくお手伝いもさせていただきますので、お気軽にご相談していただければと思います。



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