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本当に安全な家とは?

2018年04月26日
テーマ
箕面市注文住宅 家造り相談会, 学び

家は家族を守る城、すべての人が当然安全であってほしいと願っていることは間違いありません。では本当に安全な家とは・・・

家の安全を考えるとき、様々な方面から考えていかねばなりません。地震など自然災害から家族を守る、構造的に強い家については常に語られるお話なので、全ての人が気にするところですが、いがいな盲点は家の中の不慮の事故なのです。考慮されていない家づくりが凶器になっているケースが沢山あるということです。

下記のグラフは人口動態統計によるものです。不慮の事故死の総数は38306人とされていますが、驚くことに家庭内での不慮の事故死が全体の36%、なんと13952人もある事です。更に言うと家庭内では起こりえない交通事故を差し引いて考えると、家庭内での不慮の事故死は全体の43%に及びます。そしてさらに驚くのは家庭内で起きている不慮の事故で圧倒的に多いのは水に溺れることです。あの小さなバスルームでこれだけ事故が起こっているとは、驚くばかりです。




実は家の中にこそ本当に危険な場所があると肝に命じて、注文住宅に対して設計をしていきたいものです。

実際の実例では、浴室のバスタブで、たったの深さが10センチでも溺死しているケースがあります。何らかのきっかけで、気を失って倒れてしまえば、家庭用のバスタブでも溺水が直接的な死因となり溺死してしまいます。「広々としたバスタブ、足を延ばしてゆっくりとお湯につかりたい」よくあるご要望ですが、やたらに大きなバスタブを採用するとかえって溺死する確率も高くなるわけで、ここは足がバスタブ内で踏ん張れる程度の大きさの方がかえって安全です。サイズで言うと1416とか1418でしょう。

その他に、入浴への対処を考えても、高齢者への対策と子供への安全対策の両立には難しい側面があります。高齢者の浴槽への出入りを楽にするには、またぎの寸法を低くしたほうが使いやすくなります。しかし、一方では、幼い子供が過って浴槽へ転落する事故を招くことになりかねません。

幼い子供がいる家庭では、バスルームなど、水回りの扉には表から鍵をかける必要があるかもしれません。また地震時に緊急用の水を確保するために水を張っておくことが薦められますが、それがかえって溺水事故につながることになります。たとえ防災対策とは言ったものの、家庭内で起こる不慮の事故の観点から行くと、日常的に水を張ることはおすすめしません。

とにかく安全であることは、家の性能を高めることだけでは、安全性に配慮した家とはいえません。もっともっと深く、思いもよらないところに危険は存在します。

新しい住まいやリフォームを検討するときには、さらに深く『住まいの安全』について考えてみてください。